いつもいつも、私に語りかけてくれていたくまちゃんの声が、今は聞こえません。
ご飯の時は、だみ声で催促していたくまちゃん。
食べ終わると、「おいしかった。お腹いっぱいだよ」と言ってるみたいに、
いつの日からか、「にゃむにゃむ」と、何度も言うようになっていました。
庭仕事をしていると、家の中で私に一番近そうな部屋を移動しながら
壁越しに私を呼んだり、外出から帰り門を開けると、
私の足音を感じとり玄関に着く前から、「にゃーにゃー」と、
大きな声がしていました。
他の子たちが無口だったのに、いつもくまちゃんは大きな声でおしゃべりしてくれた。
それなのに、今はし~んと静まりかえって何も聞こえません。
今日、冷たくなってしまったくまちゃんを、お寺さんへ連れて行きました。
日曜日に主人や結婚している子供たちと一緒に見送ってあげられるように、
それまで寂しがりやのくまちゃんは、お寺さんの零案所にお泊りです。
昔、二泊だけ病院へ預けたのが最初で最後。それ以来の外泊です。
くまちゃん、日曜日にまた迎えに行くからね。
それまでちょっとの間、我慢して待っていてね。
預ける前に、くまちゃんの毛を形見に少し切らせてもらってきました。
しっぽの真っ黒な毛と、お腹の白と黒のまじっている所をちょっとだけ。
今までヘアカットなんてしたこと無いから、ちょっと申し訳ない気がしました。
容器の中に綿を敷き、その上に載せたら
ちょっとだけでもふわふわして、くまちゃんを感じられました。
くまが外泊の間、寂しすぎるので、
これからくまちゃんの写真をプリントアウトして、大きな額に飾ります。
どれにしようか迷っちゃうけど、これかな~?
いたずらくまの自慢気な顔。
「どうよ! ぬいぐるみいっぱい持ってきてあげたよ!」
リビングの高い所に飾ってあったのに、その棚にキャットタワーづたいに飛び乗って上から落とし、口にくわえて別の部屋へテクテクと運び、ベッドに飛び乗ってずらーっと並べたくまちゃん。
リビングへ戻しておいてもまた、いつの間にか持ってきてる。
何往復もして運んで来るその過程を目撃できなかったのは残念したが、
とってもいたずら好きのくまちゃんでした。
そして、
そんなくまちゃんが、日曜日、お骨になってしまうんだね。
寂し過ぎます。